Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきおく

灰色の記憶

久坂 葉子

Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme

Aozora Bunko

それを倫理の試験の代りにすると云ったらしい。紙がくばられた。私は隣の生徒に何事だと問うた。彼女は彼の云った言葉を忠実に私に伝えた。私は立ち上った。私は立てつづけにべらべらと喋った。私は絶対に嫌だと何度も云ったのだ。生徒はざわついた。彼は渋い顔をした。

「何のためにそんなことをするんですか」

彼は自己反省は大切なことである、と簡単に云った。私は反省は自分だけでやるものだと云い張った。そしてそれを試験がわりにするなどもっての他だと云った。私の言葉に、彼は更に怒号し、命令だと云った。私はどうしても受け入れないとつっぱった。そして最後には、

「失礼ですが、懺悔僧でもないあなたが、四五十人もの生徒の懺悔をききただしてその負担がどんなに大きいかお気附きじゃありませんか。私は自分の行為は自分で処理します。あなたに告白したところで何にもなりますまい。自分の悪い行為を人に告げてその苦しみが軽くなるようには私には思えません。しかもです、あなたは、たかが音楽教師にすぎないじゃありませんか」

私はそんなことを長々と喋ったように思われる。彼はピリピリと眉を動かし他の教場にまできこえる位の大声で私をののしった。