Japanische Klassiker mit Furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Lesen Sie 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) von 須川 邦彦 (すがわくにひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 100.616 Zeichen · 201 Bildschirme
青年船員からは、父親のように親しまれて、「おやじさん」とか、「小笠原老人」とかよばれている、ほんとうの海の男である。
国後は、島を見ていたが、
「ねえ、おやじさん、あの島は、なんだかすごい島だね」
というと、小笠原は、
「うん、ただの島じゃないよ。それについちゃあ、話があるんだよ」
と、ひれをにぎったまま、島を見つめた。
このことばを、通りがかった、浅野練習生と、秋田練習生が、聞きとがめた。二人の練習生は、いま、船長室で、午前の学科を終って、ノートと書籍をかかえて、船首の自室へ、ころがっているふかを、よけたり、またいだりしながら、帰るとちゅうであった。
「おやじさん。何か、わけがあるのかい、岩でごつごつのこの島には」
「そうだよ。わかい生徒さんなんかは、聞かないほうがいいんだ」
浅野練習生は、首をつきだした。
「教えてくれたまえ。なんでも聞け、それが勉強だ。船長が、いつでもいわれるじゃないか。ねえ、おやじさん」
「そうだなあ――話しておくほうがいい、なあ」
小笠原は、立ちあがって、島を指さした。
「いいかい、あの山は、八十四メートルの高さだ。無人島だが、大昔に、人が住んでいた跡があるんだ。