Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むめいさっかのにっき

無名作家の日記

菊池 寛

Lesen Sie 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.441 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

実際、本当のことをいえば、文壇でもずぼらとして有名な林田氏が、百五十枚の長篇を読んでみることさえ、考えてみれば怪しいものだ。佐竹君の考えているように、すべてがそうやすやすと運ばれて堪るものかと思った。

十二月二十九日。

俺は、今日東京の山野から、不快きわまる手紙を受け取った。それは、俺に挑戦し、俺を侮辱し、俺の感情をめちゃくちゃに傷つけてやろうという悪意にみちた手紙だ。文句はこうだった。

(どうだい! ばかに黙っているね。京都にも、少しは文学らしいものがあるかい。僕たちこっちにいる連中は、もう今までのように、ただぼんやり外国文学の本などを、弄り回すことに飽いてしまったのだ。僕たちが、高等学校時代に神聖視していた「文学研究」なども、考えてみればくだらないことじゃないか。僕たちは自分で創作しなければ嘘だ。創作は黄金だ。ほかのすべては銀だ。否、それ以下の銅か鉛かだ。僕たちは、もうじっとしてはおられないのだ。高等学校時代のように、いつまでも呑気に構えられてはおられないのだ。僕たちの計画は、もうすっかり決っている。僕たちは、来年の三月から、同人雑誌を出すのだ。