Japanische Klassiker mit Furigana
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むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
Lesen Sie 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.441 Zeichen · 43 Bildschirme
俺は、それを考えると、少し絶望的になる。が、山野や桑田の作品がよいばかりでなく、杉野や岡本のものでも、なかなかまとまった出来栄えだ。俺は杉野や岡本などの素質を、俺以下のものと見積って、やっと安心してきたが、その安心もどうやら根底から揺いできたようだ。俺は雑誌「×××」を手にしたまま午後三時頃から、七時頃まで夕食も食わないで、ぼんやり考え込んでいた。するとそこへひょっこり吉野君がやって来た。俺は、この時ぐらい吉野君を頼もしく思ったことはない。俺は、吉野君と一緒に「×××」の悪口をいいたかったからである。吉野君も恐らく、同じ目的で、俺を訪問したのかもわからなかった。
「やあ! 君も『×××』読んでいたのか。僕も今朝本屋で買ったよ。案外いいものはないね」と吉野君は、座に着くとすぐ、そこに落ちていた「×××」を弄くりながら話し出した。俺は、吉野君の総括的な貶し方が、かなり気に入った。が、俺は「本当だ」とも相槌を打てなかった。実際俺はどの作品も感心していたのであるから、俺は恐々ながら、
「山野の『顔』はどうだい」ときいた。
「軽妙だ。しかしあんなものは、誰にだって書けるじゃないか。