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Japanische Klassiker mit Furigana

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むざんやな

無惨やな

久生 十蘭

Lesen Sie 無惨やな (むざんやな) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.601 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

「大きに、な……内書の扱いひとつにも、旧例故格といううるさいものがあって、もってのほかに心労する……このせつ、おれは瘠せたそうな。そちにもそう見えるか」

「目立って、ご羸痩なされました。なんともお痛わしいことで」

とソソリをかけ、媚びるように雅楽頭の顔を見あげた。

「忠節に限りはなけれど、まず、ほどほどにお勤めなされませ」

雅楽頭は駄々っ子のようにふくれっ面をして、ちぇっと舌打ちをした。

「このうえ、まだ勤めるのか……わしはもう倦いたぞ」

「では、おやめなされては如何」

雅楽頭は手で脇息を打つと、力のない声で、ふ、ふと笑った。

「又内め、事もなげに吐かしおる……ならば、やめたい、やめさせてくれるか」

「その儀ならば」

答えのかわりに、はっと平伏して、

「ほかに、なにかお望みの筋でも」

と尤もらしい顔でたずねあげた。雅楽頭は細い顎をうごかして鷹揚にうなずき、

「望めと言うなら、言ってみよう。願いをあげて退役するからには、ついでのことに、溜間詰を仰せつけられたら、家の面目、世上の聞え、いかばかりか晴れがましくあろう」

溜間詰というのは、無役のまま大老並の扱いを受けることで、譜代大名の夢であった。