Japanische Klassiker mit Furigana
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むもうだん
無毛談
Lesen Sie 無毛談 (むもうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.319 Zeichen · 17 Bildschirme
毛が生えなくとも、悲しむべからず。
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むかし、私の家にいた女中の話である。名はなんと云ったか、忘れたが、トン子さんとよんでおこう。二十一である。
何日何時、上野駅へつくというから、私が出迎えに行った。郷里の方から送ってよこすのだから、先方もこっちも身元がハッキリしているから、親などはついてこない。然し、顔を知らないから、目印を持たせてよこす。たいがい季節の花などを胸につけたりしてくるのを、私が改札にガンバッていて、見破って、つれてくるのである。
トン子さんの時は、たぶん冬で花がなかったのかも知れない。日の丸の旗を目印に持たせてよこすという通知であった。
日の丸をふってでてくる田舎娘にモシモシなどゝ言い寄るのはキマリが悪いから、私も迷惑していたが、先方は私以上に迷惑であったらしく、日の丸をクルクル棒にまいて、帯の間へ押しこんで、たった一寸ばかりフトコロから顔をだしているばかりであるから、危く見逃すところであった。
通りすぎるのを、追っかけて、フトコロの品物を見定めて、モシモシ、トン子さんですか、ときく、シャクレた顔をツンとソッポをむけて、そうだという意味を表現した。