Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶらいはうたず
無頼は討たず
山本 周五郎
Lesen Sie 無頼は討たず (ぶらいはうたず) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.446 Zeichen · 23 Bildschirme
宿あいの空地つづき、荒れた畑の一本桃の花が、音もなくこぼれている、道祖神の祠のところまで来ると、
「――もし、半太郎さん」
と云いながら、娘が一人すっと出た。鼻の猪之助の一人娘で、そのとき二十二、肉付の良い眼の可愛いい小柄な女だった。
「あ、お信さんですか」
「お疲れでございましょう、よく御精がでますことね」
「貧乏暇なしですよ」
「――あのう……」
お信は爪先きを見下しながら、自分でぱっと顔を赧らめた。
「このあいだの手紙、読んで下さいまして」
「ああ拝見致しました」
「――それで……?」
「お信さん、あの手紙は恋文でしたね」
半太郎はたしなめるように云った、「これからはどうかあんな事をしないで下さい、私はこの通りの貧乏商人、母子二人の口を過すのがやっとの事で、まだ嫁をとるの何のと云っている暇はありません」
「待ちますわ、待ちますわ、私……」
「お信さん」
半太郎はきっとなった。
「それは無駄ですよ、いえ幾ら待って貰っても無駄だと云うんです、私は御存じの通り堅気の商人、貴女は立派な貸元の娘さん――とても嫁に来て頂く訳には行きません」
「知っていますわ」
お信はもう半分泣いていた、