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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶらいはうたず

無頼は討たず

山本 周五郎

Lesen Sie 無頼は討たず (ぶらいはうたず) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.446 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

「ねえ半太郎や――」

お房は暫くして息子の気を兼ねるように云いだした。

「おまえは怒るかも知れないが、実は今日もお信さんが来たんだよ」

「おっ母さん、その話ならもう」

「それゃあね、おまえの気持はよく分っているんだよ、だけどあの娘のことを考えると可哀そうでね、――親同志があんな間違いを起した為に、若いおまえ達が……」

「おっ母さん」

半太郎は哀願するように、「後生だからその事は云わないで下さい。半太郎は堅気の商人です、どんなに恋焦れた相手でも、やくざの娘は貰えません」

「けれど、おまえ――もしや」

とお房は恐ろしいものに触れるように、

「もしや今でも、お父さんの敵などと……」

「はははは」

半太郎は軽く笑った。

「こう云っちゃあ済みませんが、お父さんの死んだのはやくざ渡世の自業自得、御定法の裏をぬけて、世間の道を踏外した者同志の斬った張ったは、堅気の者に関わりのない事です。人を殺しても――悪かったと一度悔むことのないような者は人間じゃあありません、人間でない者を相手に敵だ仇だと云ったところで始まりませんからねえ」

「そうだとも、こっち――」

と云いかけた時、どしん! と烈しく裏の雨戸へ人の当る音がした。