Japanische Klassiker mit Furigana
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むだい(に)
無題(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 無題(二) (むだい(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.471 Zeichen · 5 Bildschirme
只その呼名をきいただけで顔が熱くなるほど真面目に私が愛する芸術をよごさずに置きたいと思う。
ことに文学の様なものはどれだけ人間の生活に大きな影響をおよぼすかははかり知る事が出来ず又それがあんまり見えすいたら私達はおびえなければならないかもしれないけれども文学が良い影響のおよぼされた時を想像すれば私は一寸首をふって微笑する事が出来る。呪われた影が文学によって人生の上にひろがりおしかぶさった時の事を思えば人の見えない四方の見えないものの中に入ってでもしまいたいほど――又より以上に恐れて苦しまなければならない。
なぐさみ半分にする人ならば、
「もっとやさしいぞうさない仕事があったらそれにうつろう」
と云っても私は怒りはしないかもしれない。
それが長い間専門にそのことにたずさわって居る人の口からこの言葉をきいた時の私の心はほんとうにみじめな情ない悲しさにみたされた。
「芸術」とカッコをして置いて奉ってばかり居たらそれについての研究も改革も出来るものではない。
大なる悟の前にはキット迷と疑いがあると同じに、芸術と云うものを或る一種の尊いものにするのには一度は各々が一つずつ芸術を抱えてそれを疑いの目を持ってでも迷ってでも研究して悪くはないと思う。