Japanische Klassiker mit Furigana
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フォカスをあわせる
焦点を合せる
夢野 久作
Lesen Sie 焦点を合せる (フォカスをあわせる) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.918 Zeichen · 40 Bildschirme
一分辷ったら一寸……一寸辷ったら一尺といった調子で、アトは辷り放題の、惰力の附き放題だ。遠慮も会釈もあったもんじゃない。ズラズラズラズラッと辷り出したが最後の助。鉄の板でも何でもボール紙みたいに突き破って、船の外へ頭を出すにきまっている。そのまま、ズルズルズッポリと外へ抜け出してしまったら、ソレッキリの千秋楽だ。取り返しが付かぬどころの騒ぎじゃない。飛び出しがけの置土産に巨大な穴でもコジ明けられた日には、本家本元の船体が助からない。シャフトのアトからブクブクブクと来るんだ。……ハッハッどうだい。わかるかね。シャフトの素晴らしさが。ウン。わかるだろう。コンナ篦棒な苦心した機関長はタントいないだろうと思うがね。
ところが世の中は御方便なものでね。険呑な仕事なら、自慢じゃないが、慣れっこになっている吾輩だ。尤も吾輩が乗ったからシャフトが折れたのかも知れないがね、ハッハッ。前以て、そんな間違いがないように、二重三重に念を入れて、不眠不休で仕事をしたから、ヤット一週間目に蒸汽を入れるところまで漕ぎ付けたんだが、その間の騒動ったらなかったね。一万磅なんか無論立消えさ。