Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme
それを送るかのように、また耳をくすぐる恋慕流しが漂って来て。
「君は五月雨
思わせ振りや
いとど焦るる――」
この唄の洩れて来る、その妾宅の裏に、この時、ぴったり貼りついている二人は、道場を飛び出すと同時に、うまく川俣伊予之進をまいてしまった恋慕流しの宗七と、文珠屋佐吉で、
「おい、有森、しばらくだったなあ。お前は、先日三国ヶ嶽へ来なかったじゃないか。」
「七年目に山で会う以外は、往来で擦れ違っても、口をきかぬ約束だが、こうしてなにやら復讐の機会の近づいて来たらしい気のする今日だから、そんなことも言っちゃあいられめえ。」
宗七はそう言って、膝を包み込むように、黒板塀の蔭にしゃがむ。
承知の由公は、佐吉に命じられて先に帰ったとでも見え、あたりにいない。宗七は続けて、
「何を言ってるんだ。おれは山へ行ったよ。行って伴大次郎にだけは会ったが、待っても、お前は来なかったじゃあねえか。」
「いや、おいらも行くには行ったのだが、途中でひょいと見たものがあって、堂のわきに手紙を残して引っ返えしたのだ。」
「その見たものというのは、何だい――うむ、それはそうと文珠屋、煩悩小僧の評判は、ちと高すぎるようだぜ。