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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

今はもう容赦はない。参りますぞ。」

静かな大次郎の声に、ぞっと冷たいものを感ずると同時に出羽守は、もはやこの血戦は免れないと感じたらしく、

「さ、来い!」

と大刀を構え直した。

その刹那に!

法外流の名誉、下谷の小鬼といわれた伴大次郎である。いきなり真向から女髪兼安を躍らせて、刀と身体が一つになって斬り込んで行く。

「うむ! これはできる!」

感心したように叫んだ出羽守は、ちゃりいん! 女髪兼安を横に受け流すが早いか、ひらり身をかわして――二人、今は場所を取り換えて、大次郎が今まで出羽のいた壁際に、そして、出羽は、いま大次の立っていた場所に、双方とも青眼に構えで動かない。

動かない。

動かない。

千浪を下へ抱き下ろして、若い者たちに手当てを命じておいた文珠屋佐吉は、すぐさまこの二階の「梅」へ駈け上がって来たが、部屋へはいろうとして、敷居際に立ち停った佐吉、びっくりしてしまった。

もうこうなると、どっちがどっちともわからないので。

同じ弥四郎頭巾、同じ白衣に賽ころの紋、背恰好も肉付きも完全に同じだし、頭巾のなかから覗いている眼も、この真剣に、同じように赤く血走っている。