Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

出せない!

もうすこし、うっちゃっておきたい気もちだったのだが――。

志があって、非常手段で金を集めているに相違ないぼんのう小僧、そのうちに引っこむだろうから、邪魔したくないと思っていた宗七なのだけれど、またぞろ出没し始めたと聞いては、お役を承る身、このお捕物御免とは、逃げていられない。

ことに、恩顧のある川俣様御自身出向いての話――。

覚悟を決めた宗七が、

「ようがす。ひとつ、嗅えで歩きましょう。」

と、腰を浮かしかけた時、今まで黙ってうな垂れていた小信が、突然、顔を上げて、

「ほほほ、だって、おかしいじゃないか。殿さまのくせに、女に斬られるなんてさ――。」

大きな、ハッキリした声だった。ぎょっとした三人の中で伊予之進は、初めて小信の存在に気がついて、

「えっ、何だって?――おう、宗七、なんでえ、この髱あ。」

川俣、聞き咎めた白い眼を、じろりと、宗七お多喜へくれた。

砥石店

お江戸の繁華は、ここ日本橋にひとつに集まって。

八百八丁の中央、川の両岸が江戸をまっぷたつに割って、江戸から何里、江戸へ何里という四方の道程は、すべてここを基準にしている。