Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
併し、そうなるまでが大変だった。
「こうして腕の抜けるほど稼いで、こんな馬の食うようなものを食って、着るものも着ずに乞食のような身装をして暮らすんなら、郷里の方にいたって、暮らせねえことも無かったべが……」
若い女達は、そう言い合って泣いた。
「何を言いやがるんだ。郷里で乞食が出来るかい? 乞食は大抵他国へ行ってするもんだぜ。我々だって、乞食する積もりでここさ来たんじゃねえか。土地をもらうんだぞ。よっぽどの襤褸を着ねえじゃ、もらわれめえじゃねえか?」
佐平はこう言って、皆を笑わせた。皆は、土地をもらうという言葉で元気になるのであったが、しかし、移住当時のまま一枚の着物すら作れないような自給自足の生活が三四年も続くと、彼女達の着物は雑巾よりもひどくなった。雪に閉じ籠められて働けない冬籠もりの期間は、馬鈴薯と南瓜ばかり食っているために、春になると最早、顔が果物のように黄色を帯びて来て、人間の肌色を失っているのだった。
「こんなにまでして稼いだら、郷里の方にいたって、一段歩や二段歩の土地なら、もらわなくたって、自分で買えたべがなあ。」
こう、男達さえ言うのだった。