Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
「いや、いや、すっかり暗くなってからで……」
「宜し。じゃ、とにかく、今夜のうちに駐在所まで来て、本署まで一緒に行ってもらわねばならんな。この外套を背負って。」
「旦那様、私を証人に連れて行ってくだせえ。」
佐平はこう言って滅多に下げたことの無い頭を下げて頼んだ。自分の見透している藤沢の秘密な計畫を、みんな話してやる積もりだった。
「証人だと? おまえを証人に立てたら、どんな嘘を言うかわからんじゃないか。嘘つきの名人を、証人に立てるわけにはいかんな。」
「じゃ誰か他の人でも……」
「自首して出た者に証人がいるか。そんなことは後のことだ。――さあ、じゃ、その毛皮を背負って。」
巡査は藤沢を促してそこを立ち去った。
*
藤沢の罪科は過失致死罪だった。罰金刑で済んだ。そして吾亮の遺族である雄吾とその母とは藤沢の許に引き取られた。
「いいえ、そうまでして頂かなくも、私は東京へ帰ります。東京へ帰ったら、なんとかして食べて行けないことは無いでしょうから。」
こう吾亮の妻は言った。併し藤沢は、その以前から五六人の作男を使って自分も耕作をやっていたので、その人達のための炊事をしたり、自分の身辺の世話をしてくれる婦人を必要としていた。