Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もゆるほお

燃ゆる頬・聖家族

堀 辰雄

Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

……私はそこでT君の方へふりかえりながら言った。

「これから外人墓地へでも行ってみようか?」

「うん――君さえ元気があれば行ってもいいよ……」

「そうだなあ……」

……自分で言い出しておいて、私はちょっと首をかしげる。そんな会話を交しながら、いつの間にか私たちの歩いている山手のこのへんの異人屋敷はどれもこれも古色を帯びていて、なかなか情緒がある。大概の家の壁が草色に塗られ、それがほとんど一様に褪めかかっている。そうしてどれもこれもお揃いの鎧扉が、或いはなかば開かれ、或いは閉されている。多くの庭園には、大粒な黄いろい果実を簇がらせた柑橘類や紅い花をつけた山茶花などが植わっていたが、それらが曇った空と、草いろの鎧扉と、不思議によく調和していて、言いようもなく美しいのだ。……T君もひさしぶりにこの辺まで上って来たものらしく、さっきからしきりに此処いらまでよく遊びに来たことのある昔のことを思い出してはひとりで懐しがっている。私は私で、こんなユトリロ好みの風景のうちに新鮮な喜びを見出している。こんな家に自分もこのまま半年ばかり落着いて暮らしてみたいもんだなあと空想したり、こういうところでその幼時を過したT君のことを羨ましがったりしながら、だんだん狭くなってくる坂を上ったり下りたりしているうちに、今度はT君の方が首をかしげ