Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もゆるほお

燃ゆる頬・聖家族

堀 辰雄

Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

それがさっき象のさせていた好い※(「均-土」、第3水準1-14-75)とそっくりだ

さっきの※(「均-土」、第3水準1-14-75)が私の鼻に蘇って来たのではないかと思えた位

何ともかとも云いようのないほど好い※(「均-土」、第3水準1-14-75)だ

矢張り誰もいない 私はこわごわ一つの卓の傍に腰を下ろしながら

その※(「均-土」、第3水準1-14-75)を捜す……私はそのとき始めて

熱帯植物の鉢植のかげに一つの灰皿があって

それに烟草の吸殻のようなものが一つ置き忘られてあるのに気がつく

それから一すじの白い烟りが細ぼそと立ち昇っているのである

どうやらそれから私をすっかり魅している※(「均-土」、第3水準1-14-75)が発せられているらしい

私はまた象のことを思い浮べる

そして漸っといまあの象が阿片の広告であったことに気がつき出す

「ははあ、それだから誰にも分らなかったんだな

なあんだ此処は阿片窟なのか……」

私はあらためて店の中を見まわしてみる

やっぱり誰もいない 空虚だ

いかにも静かだ ひっそりしている

それでいてつい今しがたまで客が何組かあったのだが

それが皆立ち去ったすぐ跡だと云うような気がされる