Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
させた。
(二三日後の夜、彼は彼の部屋のドアの把手に人間の手みたいに巻いてあるガアゼの繃帯に内部から血のにじみ出ているのを認めた。しかし翌日になって見ると、彼の知らない間にそれは新しいガアゼに取換えられてあった。)
そういう神経質な最初の一夜を例外にすると、そこへ入院してからの彼の病状はずっと順調であった。高原の春先きの気候とともに。
彼の病室の窓から眺められる南アルプスの山頂には雪が日毎にまばらになって行った。そしてそれらは遂に何かしら地球の歯のようなものを剥き出しながら、彼の窓に向って次第に前進してくるように見えた。病人はそれを飽かずに眺めた。
だが、或る朝から急に雪が降りだした。そして一日じゅう小止みなく降っていた。もう四月下旬だというのに何と云うことであろう。そしてそれはその翌日になっても、翌翌日になっても止まなかった。
そんな或る夜ふけのこと、あたりがあまりに騒騒しくなったのでそれまでうとうとと眠っていた彼は思わず目をさました。眠る前にいくらか小降りになったかと思われた雪はいつしか吹雪になっていた。その上に突風がそれに加っているらしい。――そんな夜も露台に向いているドアや窓は医師の命令で細目に開けておく習慣だったので、それらの隙間からは無数の細かい雪が突風そのものと一しょに吹き込んできて、そこら