Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
「教室へ行かなくっちゃ……」
「そうか」
いつのまにか魚住は巧妙に新しい仮面をつけていた。そしていくぶん青くなっている私の顔を見下ろしながら、彼は平生の、人を馬鹿にしたような表情を浮べていた。
※(「アステリズム、1-12-94)
五月になってから、私たちの部屋に三枝と云う私の同級生が他から転室してきた。彼は私より一つだけ年上だった。彼が上級生たちから少年視されていたことはかなり有名だった。彼は瘠せた、静脈の透いて見えるような美しい皮膚の少年だった。まだ薔薇いろの頬の所有者、私は彼のそういう貧血性の美しさを羨んだ。私は教室で、屡、教科書の蔭から、彼のほっそりした頸を偸み見ているようなことさえあった。
夜、三枝は誰よりも先に、二階の寝室へ行った。
寝室は毎夜、規定の就眠時間の十時にならなければ電燈がつかなかった。それだのに彼は九時頃から寝室へ行ってしまうのだった。私はそんな闇のなかで眠っている彼の寝顔を、いろんな風に夢みた。
しかし私は習慣から十二時頃にならなければ寝室へは行かなかった。
或る夜、私は喉が痛かった。私はすこし熱があるように思った。