Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
しかし彼はその鸚鵡の言葉を聴こうとはしなかった。彼は熱心に彼の「ルウベンスの偽画」を虚空に描いていた。それが何時になく生き生きした色彩を帯びているのが彼には快かった。……
その瞬間、彼は彼のところからは木の枝に遮ぎられて見えない小径の上を二台の自転車が走って来て、そのロッジの前に停まるのを聞いた。それからまだその姿は見えないけれど、若い娘特有の透明な声が聞えてきた。
「なんか飲んで行かない?」
その声を聞くと彼はびっくりした。
「またかい。これで三度目だぜ」そう若い男の声が応じた。
彼は何となく不安そうにロッジの中にはいってくる二人を見つめた。意外にもそれはきのうのお嬢さんだった。それから彼のはじめて見る上品な顔つきをした青年だった。
その青年は彼をちらりと見て、彼から一番離れたテエブルに坐ろうとした。するとお嬢さんが言った。
「鸚鵡のそばの方がいいわ」
そして二人は彼のすぐ隣りのテエブルに坐った。
お嬢さんは彼に脊なかを向けて坐ったが、彼には何だかわざとかの女がそうしたように思われた。鸚鵡は一そう喧ましく人真似をしだした。かの女はときどきその鸚鵡を見るために脊なかを動かした。