Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
そういう姿勢で見ると、若い女の顔はいかにも神神しく思われた。
一瞬間の後、男は再び懐中電気をまっ暗な足もとに落した。
彼は彼等とすれちがいながら、彼等の腕と腕が頭文字のようにからみあっているのを発見した。それから彼はその暗やみの中に一人きりに取残されながら、なんだか気味のわるいくらいに亢奮しだした。彼は死にたいような気にさえなった。
そういう気持は悪い音楽を聞いたあとの感動に非常に似ていた。
そういう音楽的なへんな亢奮をしきりに振り落そうとして、彼はその朝もそこら中をむちゃくちゃに歩き廻った。そのうちに彼は一つの見知らない小径に出た。
そこいらは一度も来たことのないせいか、町から非常に遠く離れてしまったかのように思われた。
そのとき彼はふと自分の名前を呼ばれたような気がした。あたりを見廻してみたが、それらしいものは見えなかった。おかしいなと思っていると、また彼の名前を呼ぶものがあった。今度はややはっきり聞えたのでその声のした方を振り向いてみると、そこには彼のいる小径から三尺ばかり高まった草叢があり、その向うに一人の男がカンバスに向っているのが見えるのだ。