Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

「あら、あたし、思いだしたわ」

房枝は、瞳を輝かせた。

「どうしたのよう、房枝さん」

「あ、たしかに、あれにちがいないわ。ねえスミ枝さん。あたしのお守袋の中に、あの手箱と同じ梅に鶯の模様のメリンスのきれで作った小さい袋が入っているのを思いだしたのよ」

「それ、ほんとう。じゃ、見せてごらんなさい」

「あ、そのお守袋は、ここにはないのよ」

「じゃ、しょうがないじゃないの。どこへやってしまったの」

「黒川団長の胸にかけてあんのよ」

「あーら、なぜそんなことを」

「だって、黒川団長が、あのとおりの大怪我で重態でしょう。なんとか持ち直すようにと、あのお守袋を胸にかけてあげたのよ。じゃ、これからすぐ、黒川団長のところにいってみましょう。あたし、それが同じだかどうだか、早くしらべてみたいわ」

そこで、房枝とスミ枝とは、いそいで黒川の寝ているターネフ首領邸へ急ぐこととなった。黒川は、あれ以来、ずっと屋敷の一室に、呻吟しているのであった。

はたして、そのお守袋の中にあるものは、あの小箱と同じきれであるか。房枝は、胸をおどらせているが、たとえそれが同じきれであったとしても、房枝は房枝であり、決して小雪ではないから、さわいでも無駄なのではあるまいか。