Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちのしゅっきょう

父の出郷

葛西 善蔵

Lesen Sie 父の出郷 (ちちのしゅっきょう) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.047 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

は嫂さんところへ泊って、昨日青森まで嫂さんに送られて一時の急行で発ってきたんだそうですがね、私の方の電報はチチアスアサ七ジと間違いなく来てますが、何しろひどく思いきったもんですね」

「まあそうだな。でも思いきって出てきてよかったさ。身体の方はだいぶ弱ってるようか?」

「いや脚が少し不自由なだけで、ほかはなかなか元気のようですよ。朝からさっそく飲んでましたがね、ようやく寝たもんですから……」

「なんにしても思いきって出てきてよかったよ。ああして一人でいたってしようがないんだからね。そうかといって僕らが行って整理をつけるとなると、畑だって山だって難かしいことになるからね、何しろおやじうまくやった、大出来だね」

「まあそうでしょう。春になって雪でも消えたら一度桐でも伐りに行こうなんて、なかなか吹いてますよ」

「それにしてもおやじとしてはずいぶん命がけの決心だったのだろうからね、電報の間違いぐらい偶然でないのかもしれないが、こんな間違いがあるとかえって長生きするもんだというからそうであってくれるといいがね、おふくろなんかの場合のように、鎌倉まで来たはいいやですぐ死なれたのでは困っちまうなあ」