Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちちのそうしき
父の葬式
葛西 善蔵
Lesen Sie 父の葬式 (ちちのそうしき) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.864 Zeichen · 12 Bildschirme
永年の持病の脚気が死因だった。鎌倉へも二度来た。二度目はこの三月で、私の部屋借りの寺へ二晩泊って上機嫌で酒を飲んで弟にお伴されて帰って行ったが、それが私との飲み納めだった。私は弟からの電話でこの八日に出てきたが、それから六日目の十三日に父は死んだのだった。
「やっぱし死にに出てきたようなものだったね。ああなるといくらかそんなことがわかるものかもしれないな。それにしても東京へ出てきて死んでくれてよかった。田舎にいられたんだとなかなか面倒だからね。こう簡単には片づけられはしないよ。……そうそう、昨年のおふくろの時も、ちょうどこの汽車で僕らは帰ったんだよ」
「そうでしたね。あの時もずいぶん暑かった」
「そうだったなあ……」
ヘンに目立つような真四角な風呂敷包みを三等車の網棚に載せて、その下の窓ぎわに腰かけながら、私たちはこう囁き合ったりした。不憫なほど窶れきった父の死にぎわの面影が眼に刻まれていたが、汽車に乗りこんで私たちはややホッとした気持になった。もうあとは簡単に葬ってきさえすればいいのだ――がさすがに食堂へ行って酒を飲んでくる気にもなれず、睡っておきたいと思いながら睡れもしなかった。