Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちのそうしき
父の葬式
葛西 善蔵
Lesen Sie 父の葬式 (ちちのそうしき) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.864 Zeichen · 12 Bildschirme
すっかり赤んぼみたいになって、仏面になっちまってるのに、まだ未練らしく唇なんか動かしたりして、それがいかにも死んで行くのが情けないといった風じゃないか。あんなおやじがなあと思うと、気の毒でもあり、また、もうよくわかりましたからおとなしく目をお瞑りなさいと、僕はおかしくなったが、この上また葬式まで僕らにかかって滑稽化されたんではおやじの仏も浮ばれないんじゃないかしら」
「いやおやじは僕らの行届かないことだって何だって、みんなわかってくれてますよ。往生がよすぎるんで、滑稽にも感じられたんでしょう。年だって六十五というと、そんなに不足という方でもないんだし……」
「そう言うとそんなものだがな……」
青森へは七時に着いた。やはりいい天気であった。汽船との連絡の待合室で顔を洗い、そこの畳を敷いた部屋にはいって朝の弁当をたべた。乗替えの奥羽線の出るのは九時だった。
「それではいよいよ第一公式で繰りだしますか?」
「まあ袴だけにしておこうよ。あまり改った風なぞして鉄道員に発見されて罰金でも取られたら、それこそたいへんだからね」
私たちはまだこんな冗談など言い合ったりしていたが、やがて時間が来て青森を発車すると同時に、私たちの気持もだんだん引緊ってきた。