Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちかえる

父帰る

菊池 寛

Lesen Sie 父帰る (ちちかえる) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.615 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

家でもおたあさんが来た時には公債や地所で、二、三万円はあったんやけど、お父さんが道楽して使い出したら、笹につけて振るごとしじゃ。

賢一郎 (不快なる記憶を呼び起したるごとく黙している)……。

母   私は自分で懲々しとるけに、たねは財産よりも人間のええ方へやろうと思うとる。財産がのうても、亭主の心掛がよかったら一生苦労せいで済むけにな。

賢一郎 財産があって、人間がよけりゃ、なおいいでしょう。

母   そんなことが望めるもんけ。おたねがなんぼ器量よしでも、家には金がないんやけにな。この頃のことやけに、少し支度をしても三百円や五百円はすぐかかるけにのう。

賢一郎 おたねも、お父さんのために子供の時ずいぶん苦労をしたんやけに、嫁入りの支度だけでもできるだけのことはしてやらないかん。私たちの貯金が千円になったら半分はあれにやってもええ。

母   そんなにせいでも、三百円かけてやったらええ。その後でお前にも嫁を貰うたらわしも一安心するんや。わしは亭主運が悪かったけど子供運はええいうて皆いうてくれる。お父さんに行かれた時はどうしようと思ったがのう……。

賢一郎 (話題を転ずるために)新は大分遅いな。