Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちすぎやましげまるをかたる
父杉山茂丸を語る
夢野 久作
Lesen Sie 父杉山茂丸を語る (ちちすぎやましげまるをかたる) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.127 Zeichen · 25 Bildschirme
葬式は増上寺で盛大に行われた。色々、大勢の人々がやって来て告別の焼香をして下すったが、その中に古びたカンカン帽、素足に駒下駄、浴衣がけにステッキ一本の書生さんが、アッサリと焼香し、叮嚀に叩頭して行ったのを、参列の人々の中で喜んでいる人が相当あった。
「アイツは愉快な奴だ。故人はアンナ調子の人間が一番好きだったからね。あの気軽く焼香に来てくれた心意気が嬉しいじゃないか」
「一層の事、告別式をどこかの野ッ原に持出して、野人葬とすればよかったかも知れないね。野辺送りという位だから……ハハハ」
悔状は一々私が開封して眼を通したが、やはり愉快なのが混っていた。
「私は近所の爺さんから頼まれて杉山さんの霊前にこの和歌を捧げてくれという事ですから、この手紙を上げます。私は杉山という人がドンな人だか、よく知りませんが謹んでお悔みを申上げます」
といったような朗らかなのや、お悔みのつもりであろう、
「杉山先生が亡くなられても、君に忠義という事は決して忘れません」
と簡単に楷書して泣かせるのや、
「先生は私にとって実の親よりも有難い人でした。どうぞ今後も、お父さんに代って私を可愛がって下さい」