Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かたおなみ

片男波

小栗 風葉

Lesen Sie 片男波 (かたおなみ) von 小栗 風葉 (おぐりふうよう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.792 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

」

断然とお照の言消したる時、遠く小銃のようなる音の何処ともなく聞えて、そが響にや微に大地の震うを覚えぬ。

折から月は全く西の端に落ちて、水や天、黒白も分かぬ沖の方に、さながら砂塵のごとき赭土色のもうもうと立ち迷うを見たり。されど仙太は只管こなたに心を奪われて、そを怪しと考うる遑もなかりき。

「諦めた! とてもこの世じゃどうする事も出来ねえと諦めたから、お照様、お前死んでからはきっと、きっと!」

と反復しつつ、しっかと女の肩に手を懸けて、

「きっと! 死んでからは俺にの。え、お照様、きっとだよ、え、きっと?」

応答を迫られて、ようようお照は男の顔を見挙げて、何やらむ言出てんとする途端、たちまち大地のゆらゆらと動出せしに、あれ! と叫びて思わず仙太の体に縋りも着かせず、さながら百雷一時に落つる如き響とともに、闇を衝いて鼕と押寄せたる千丈の大濤!

* * * * *

乾坤漠々、唯墨を流したらんようなる闇の中に、とうとうたる濁浪天を摩して、人も、獣も、家も、樹も、有情非情の差別なく、世界の所有物はことごとく水に漂いて、叫喚地獄の大苦患もかくや、子は親を助くるの暇なく、夫は妻を救うの道なく、子を捨て、夫を見殺しに、唯身一つをさえ生きかねて、黒白も分かぬ間に悲鳴を揚げて哭叫ぶが中に、わずかに一枚の戸板に乗りて、いずれ