Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼたんどうろう ぼたんとうき

牡丹灯籠 牡丹灯記

田中 貢太郎

Lesen Sie 牡丹灯籠 牡丹灯記 (ぼたんどうろう ぼたんとうき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.676 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

一月ばかりすると、喬生の恐怖もやや薄らいで来た。彼は某日、袞繍橋に住んでいる朋友のことを思い出して訪ねて往った。朋友は久しぶりに訪ねて来た喬生を留めて酒を出した。

二人はいろいろの話をしながら飲んでいたが、そのうちに夕方になって陽がかげって来た。喬生は驚いて帰りかけたが、遠慮なしに打ちくつろいで飲んだ酒が心地好く出て来たので、彼は伸び伸びした気になって歩いていた。蛙の声が聞えて来た。

喬生は湖縁の路を取らずに湖の中の堤を帰っていた。堤の柳は芽を吐いてそれが柔かな風に動いていた。彼の体は湖心寺の前へ来ていた。何時の間にか日が暮れて夕月が射していた。

喬生はふと魏法師の戒めを思いだした。彼は厭な気がしたので足早に通り過ぎようとした。

「旦那様」

それは聞き覚えのある女の声であった。喬生は驚いて眼をやった。金蓮が来て前に立っていた。

「お嬢さんがお待ちかねでございます、どうぞいらしてくださいまし」

喬生の手首には金蓮の手が絡って来た。喬生はその手を揮り放して逃げようとしたが逃げられなかった。金蓮は強い力でぐんぐんと引張った。喬生は濁った靄に脚下を包まれているようで足が自由にならなかった。