Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼたんどうろう ぼたんとうき
牡丹灯籠 牡丹灯記
田中 貢太郎
Lesen Sie 牡丹灯籠 牡丹灯記 (ぼたんどうろう ぼたんとうき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.676 Zeichen · 22 Bildschirme
観燈の人人は、面白そうに喋りあったり笑いあったりして、騒ぎながら喬生の前を往来した。その人人の中には壮い女の群もあった。女達はきれいな燈籠を持っていた。喬生はその燈に映しだされた女の姿や容貌が、己の女房に似ていでもするといきいきとした眼をしたが、直ぐ力の無い悲しそうな眼になった。
月が傾いて往来の人もとぎれがちになって来た。それでも喬生はぽつねんと立っていた。軽い韈の音が耳についた。彼は見るともなしに東の方に眼をやった。婢女であろう稚児髷のような髪をした少女に燈籠を持たせて、そのあとから壮い女が歩いて来たが、少女の持っている燈籠の頭には真紅の色のあざやかな二つの牡丹の花の飾がしてあった。彼の眼はその牡丹の花から後の女の顔へ往った。女は十七八のしなやかな姿をしていた。彼はうっとりとなっていた。
女は白い歯をちらと見せて喬生の前を通り過ぎた。女は青い上衣を着ていた。喬生は吸い寄せらるるようにその後から歩いて往った。彼の眼の前には女の姿が一ぱいになっていた。彼はすこし歩いたところで、足の遅い女に突きあたりそうになった。で、左斜にそれて女を追い越したが、女と親しみが無くなるような気がするので、足を遅くして女の往き過ぎるのを待って歩いた。