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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼたん

牡丹

宮本 百合子

Lesen Sie 牡丹 (ぼたん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.684 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

そのように親類になってくれと懇願されている者は、電燈会社の集金人であった。石川は台所へ上って、

「奥さん、あの人には私から親類になるようによく話しますからね、一先ずこんな物はしまって置きましょう」

と云った。

「親類になるまでに無くなるといけませんからね」

彼女は子供のように石川の後に跟いて台所と部屋との間を往復した。

「じゃその指環は、右の引出しに入れて下さい。――でもねえ石川さん、あの人本当に明日来てくれるでしょうね、親類になってくれなかったら、私どうしたらいいだろうねえ」

「大丈夫ですよ奥さん。――さあよく見ていて下さい。おい、お君どんも来て。――この株券と帳面はここですよ、この黒い袱紗の中です、わかりますか」

奥さんは縞お召の羽織の袖を左右から胸の前で掻き合わせ、立ったまま合点合点をしていたが、急に、

「あら大変だ、ね、石川さん、あのダイヤの帯留ね、どこへ行っちゃったかしら」

膝を突くなり、がむしゃらに小箪笥の引出しを引くるかえした。

「ああ私あれをなくしちゃ大変なんですよ、あれがないと私――どうしたろう。ここにしまいやしなかったかしら」

彼女は俄に心配し始めた。