Japanische Klassiker mit Furigana
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ものをたいせつにするこころ
物を大切にする心
種田 山頭火
Lesen Sie 物を大切にする心 (ものをたいせつにするこころ) von 種田 山頭火 (たねださんとうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.487 Zeichen · 4 Bildschirme
文字通りの浪費である。それを知らぬ顔で夫人は澄ましこんでいるのである。――女中の無智は憐むべし、夫人の横着は憎むべし、水の尊さ、勿体なさ……気の弱い私は何ともいえないでその場を立ち去った。
彼女もまた罰あたりである。彼女は物のねうちを知らない。貨幣価値しか知らない。大粒のダイアモンドといえども握飯一つに如かない場合があることを知らない。
大乗的見地からいえば、一切は不増不減であり、不生不滅である。浪費も節約もなく、有用も無駄もない。だが、人間として浪費は許されない。人間社会に於ては無駄を無くしなければならない。物の価値を尊び人の勤労を敬まわなければならないのである。
常時非常時に拘らず、貴賤貧富を問わず、私たちの生活態度は斯くあるべきであり斯くあらざるを得ない。
物そのもののねうち、それを味うことが生きることである。物そのものがその徳性を発揮するところ、そこが仏性現前の境地である。物の徳性を高揚せしめること、そのことが人間のつとめである。
私は臆面もなくH老人を責めS夫人を責めて饒舌であり過ぎた。それはすべて私自身に向って説いて聞かせる言葉に外ならない。