Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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カラスキーしのゆうじょう

犂氏の友情

久生 十蘭

Lesen Sie 犂氏の友情 (カラスキーしのゆうじょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.312 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

ふん、こいつァいいや」

そう言って、みなが食事をしているほうへ向って、

「おい、ピポ! この悪たれ野郎がおまえに喋言してえそうだ。掻喰いがすんだら、こっちへやってきねえ」

と、怒鳴った。

「おい、兄ちゃん、何かひと口しめしなよ。鸚鵡でもやろうか」

鸚鵡、……どうせ、何か飲物の隠語だろうが、学校の悪たれどももさすがにこうは言わない。向うみずに引受けると、どんなものが飛び出してくるかわからない。やんわりと辞退した。

「まあ止めておこう」

「じゃア、石油はどうだ」

「ガソリンや石油はなるたけ飲まないようにしているんだ」

「何を言ってやがる、このボケ茄子め、おいらのところの火酒にガソリンなんざ入ってやしねえやい。ふざけたことを言いやがるとぶッ叩くぞ」

これはどうも、そろそろいけなくなってきた、と、薄ら寒くなっているところへ、犂の柄のようにヒョロリと瘠せた、影のような男が、ぼんやりとそばへ寄って来た。

頬がすッこけて、色の褪めた壁紙のような沈んだ顔色をした、二七、八の青年である。ひどい顔面神経痛で、時々、ギクシャクと頬を痙攣らせる。狂信者によく見る、おれだけが世界の真理を把んでいると確信しているような、ひどく落着き払った奇妙なようすをしている。