Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いぬのはじまり

犬のはじまり

宮本 百合子

Lesen Sie 犬のはじまり (いぬのはじまり) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.886 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

ふざけて噛みつく擽ったさ迄、私には新鮮な、涙の出るような愉快だ。

良人は縁側に出、いつの間にか

「マーク、マーク」

と云う名をつけて仔犬を呼んだ。

マーク。アントニーを思い出し私は微笑した。夏目先生のところであったかヘクターと云う名の犬が居たのは。――

此仔犬は、アントニーと云う貴族的な、一寸得意気な名などをつけられるような顔はして居ない。マークはよい。少し田舎めくが素朴な故意とらしくないところが。

新来のマークは、仔犬に共通のやかましいクンクン泣きを、兎に角昼間は余りしなかった。母犬には前から離れて居たのだろう。

私共は、彼の為に(雄犬であった。)みかん箱の寝所を拵え、フランネルのくすんだ水色で背被いも作ってやった。

彼は、今玄関の隅で眠り、時々太い滑稽な鼾を立てて居る。

女中が犬ぎらいなので少し私共は気がねだ。又、子のない夫婦らしい偏愛を示すかと、自ら面栄ゆい感もある。

今夜、どうか、ひどく泣かないでくれるとよいと皆が希って居る。