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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちろうじん

犬田卯短編集二

犬田 卯

Lesen Sie 犬田卯短編集二 (いちろうじん) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.383 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

だのに……自分はいわゆるぼんやり者、抜け作の部類に属するとしか考えられぬ。そうだわ、だから血の出るような思いをしてこしらえた金も失くしてしまうのだし、お嫁の話もかけてくれ手がないのだ。

うとうとしたと思うと母親に起された。喘息がよけいに嵩じてしまって、朝飯の支度が出来かねるというのである。お通は眼をこすりながら起き出して、いつものように竃の下へ火をたきつけた。

やがて朝食後、兄貴が鍬をかついで麦さく切りに出てしまうと、母親が寝ている枕もとからぼろけた財布をひっぱり出して五十銭玉を二つ畳の上へならべ、占い者にかんがえてもらって来たらいいだろうというのであった。

「無駄だわ、そんなこと――」

お通はそっぽを向いたが、無論あきらめてしまったわけではなかった。いや、考えれば考えるほど諦めきれず、これからもう一度探して来ようと思っていたところだったので、「どうせ、あたりもしめえ」と重ねていって見た。

「当るか当らねえか、それは分らねえが、ひょっとして当るかも知れねえからよ、それが八卦だねえの。」

「あたらなかったら、ただ銭うっちゃるようなもんだしな。」

「それではお前のいいようにするさ。