Japanische Klassiker mit Furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集二 (いちろうじん) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.383 Zeichen · 103 Bildschirme
三反歩の方の地主は強硬に土地返還を迫った。が彼はそれらのいずれに対しても頑として応じなかった。「勝手に何でもやれ! 俺は、俺だ。」
そして彼は毎日寝ていたのだった。夜も昼もなかった。一番奥の部屋へ蒲団を敷きぱなしにして。屋根からは雨漏りがした。壁は崩れてしまった。掃除もしない家の中は、埃や鼠の糞だらけだった。
彼には二人の子供があった。長男は十四歳で次の女の子は十二歳のはずだった。彼らは全く野獣化して、他家の果樹へよじ登ったり、畑のものを失敬したりして生きていた。親戚で引き取っても三日といつかなかった。労働と叱責、それは彼らにとって堪え得ないものであるらしかった。彼らは彼ら自身の生活方法を獲得していて、夜だけはどうやらぼろ家へかえるが、夜が明けると雀のように唄いながら餌をあさりに出てしまった。
作物を荒された村人は、よく親父のところへ抗議するのだったが、親父先生は返事もしなかった。執拗に談じ込むと、彼はうるさそうに叫んだ。「ぶっ殺すともどうとも勝手に、勝手に……俺は、俺だ。俺の知ったことじゃねえ。」
彼は炊事もやらなかった。殆んど塩と水で生きているらしい、とは近所のものの観察である。