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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

半三郎はもう腰が抜けたように呆然となっていた。自分のかかり合った縁談の底に渦巻いていた極悪地獄のドンデン返しが、余りにも無残な恐ろしいものであった事が、初めて身に泌みてわかったらしく、眼を白くして唇をわななかしているばかりであったが、やがて、やっと心付いたように一心こめて両手をシッカリと拝み合わせた。涙をハラハラと流しながら猪口兵衛の前にニジリ出した。

「それならば……私は……どう致したら、よろしいので……」

赤猪口兵衛はコックリと一つうなずいた。

「その事で御座います。これから先、大目付様が、日田のお金奉行の手先とは言え歴とした公方様の御家来の野西春行を、どのような風に処置さっしゃるか、お納戸頭が、蔵元屋の帳面の大穴をどう誤魔化さっしゃるかが、日本一の面白い見物で御座いましょうが、それは取りあえず貴方様の御決心には拘わりのないこと……悪い事は申しません。今までの事は今までの事として、綺麗サッパリと忘れておしまいなされませ。この御縁談のない昔と諦めて、どこまでも知らぬ顔をなされば何もかも無事に済みます。それが亡くなられたお熊さんの菩提のため……」

「お熊さんの菩提のため……それが……」