Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

あれは蔵元屋の前の御寮さんが、辰の年に生んだ双生児の片割れ……」

「ヘエッ。そんならお熊さんと……」

「血を分けた姉妹と申上げたいが、おんなし人間……辰の年の双生児は一緒に育てるものでない。出世を競り合うて呪咀い合うものと聞いた、蔵元屋の前の御寮さんが、コッソリ里子に遣ったままにして置いた芋屋の娘……正しく蔵元屋の血統を引いた、お熊さん同様の一点の疵もない卵の剥き身、生さぬ仲の芋屋の老人夫婦を真実の親と思い込んでの孝行振りまで、お熊さんと瓜二つの生き写し。嫁は流しの先から貰えという諺も御座います。元を洗えば御両親も、お家柄に御不足は御座いますまい。この猪口兵衛が請合いまする」

「はい。私どもの両親は失礼ながら貴方様を、どこどこまでも御信用申上げておりまする。申し忘れておりましたが、きょうもお団扇を一本土産に頂戴して参れとの事で……」

「アハアハ。いやもう有難いことで……それでは……

どなた様も六分は他人四分うちは

猪口兵衛猪口兵衛ごひゐきになる

この団扇を一本差上げましょう。あとで今一本あなた様の御運開きの歌を詠んで上げとう存じまするが、まだ上の句が整いません。