Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme
しかし、いずれにせいこのお福さんのお話は大至急にお進めなされませ。早いほど宜しゅう御座います。そうしてお固めが済みましたならば、お福さんに何もかも打ち明けて、一緒にお熊さんのお墓参りをなさいませ。蔵元屋の菩提所は祭り人がのうなろうやら知れませぬ折柄ゆえ、それが何よりの御功徳様かと存じまするが……」
「ハイ。ハイ。ありがとう存じます。……おかげ様で私も、やっと人心地が付きました。それならば両親によっく相談致しまして……」
「お引合いにならば及ばずながら私が、お召し次第に伺いまする」
「どうぞいつでもお構いなくお出で下さいませ。お茶なりと一つ……」
「アハハハ。存じかけもない。お宅様へ上り込んでお茶を頂戴するような人間では御座いません。お台所口からこの方が……ヘヘヘ」
猪口兵衛はソワソワと立上る半三郎を見送りながら左手で飲む真似をして見せた。
半三郎は赤面しいしい一礼して、急ぎ足に大根畠を踏み分けて行った。あと見送った猪口兵衛は何思うたか片膝をポンと打ちながら口吟んだ。
仲人は御縁の下の力持ち
腰を押いたり尻を押いたり
それから四、五日経って後のこと、目明の良助が、例の通りの尻端折に頬冠り姿でノッソリと猪口兵衛の縁端に腰をかけた。