Japanische Klassiker mit Furigana
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どくしん
独身
Lesen Sie 独身 (どくしん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.012 Zeichen · 19 Bildschirme
今一つが伝便なのである。Heinrich von Stephan が警察国に生れて、巧に郵便の網を天下に布いてから、手紙の往復に不便はないはずではあるが、それは日を以て算し月を以て算する用弁の事である。一日の間の時を以て算する用弁を達するには、郵便は間に合わない。Rendez-vous をしたって、明日何処で逢おうなら、郵便で用が足る。しかし性急な変で、今晩何処で逢おうとなっては、郵便は駄目である。そんな時に電報を打つ人もあるかも知れない。これは少し牛刀鶏を割く嫌がある。その上厳めしい配達の為方が殺風景である。そういう時には走使が欲しいに違ない。会社の徽章の附いた帽を被って、辻々に立っていて、手紙を市内へ届けることでも、途中で買って邪魔になるものを自宅へ持って帰らせる事でも、何でも受け合うのが伝便である。手紙や品物と引換に、会社の印の据わっている紙切をくれる。存外間違はないのである。小倉で伝便と云っているのが、この走使である。
伝便の講釈がつい長くなった。小倉の雪の夜に、戸の外の静かな時、その伝便の鈴の音がちりん、ちりん、ちりん、ちりんと急調に聞えるのである。