Japanische Klassiker mit Furigana
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どくしん
独身
Lesen Sie 独身 (どくしん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.012 Zeichen · 19 Bildschirme
この部屋で此等の人の口からこの議論が出たのは、決して今夜が初めではない。
主人が帝国採炭会社の理事長になって小倉に来てから、もう二年立った。その内大野の独身生活は小倉で名高いものになっていて、随って度々問題に上る。
主人は全く女というものなしに暮らしているのだろうか。富田もこの問題のために頭を悩ました一人である。そこでこう云った。
「どうも小倉には御主人のお目に留まったものがなさそうだ。多分馬関だろうと思って、僕は随分熱心に聞いて廻ったのだが、結果が陰性だった。」
「随分御苦労なわけだね」と、遠慮深い戸川は主人の顔を見て云った。
主人はただにやりにやり笑っている。
富田は少し酔っているので、論鋒がいよいよ主人に向いて来る。「一体ここの御主人のような生活をしていられては、周囲の女のために危険で行けない。」
「なぜだい、君。」
「いつどの女とどう云う事が始まるかも知れないんだからね。」
「まるで僕が Don Juan ででもあるようだ。」
戸川は主人のために気の毒に思って、半ば無意識に話を外へ転じようとした。そして持前のしんねりむっつりした様子で、妙な話をし出した。