Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme
てやるのが忌ま忌ましい。つまり亭主への反感と、品子への反感と、孰方の感情で動いたらよいか板挟みになってしまったのである。手紙の来たことを亭主に打ち明けて相談すれば、事実はそうでないにも拘わらず品子にケシカケられたような形になるのが心外であるから、それは内証にして置いて、孰方が余計憎らしいかと考えると、品子の遣り方も腹が立つけれども、亭主の仕打ちも堪忍がならない。殊にこの方は毎日眼の前で見ているのだから、どうにもムシャクシャする訳だし、それに、本当のことを云うと、「用心しないと貴女も猫に見換えられる」と書いてあったのが、案外ぐんと胸にこたえた。まさかそんな馬鹿げたことがとは思うけれども、リリーを家庭から追い払ってしまいさえすれば、イヤな心配をしないでも済む。ただそうすると品子に溜飲を下げさせることになるのが、いかにも残念でたまらないので、その方の意地が昂じて来ると、猫のことぐらい辛抱しても誰があの女の計略なんぞにと、云う風になる。―――で、今日の夕方チャブ台の前にすわる迄は、彼女はそう云うグルグル廻りの状態に置かれて懊れていたのだが、皿の上の鰺が減って行くのを数えながらいつものいちゃつきを眺めていると、ついかあッとして亭主の方へ鬱憤を破裂させてしまったのである。