Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこせんせいのべん
猫先生の弁
豊島 与志雄
Lesen Sie 猫先生の弁 (ねこせんせいのべん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.898 Zeichen · 8 Bildschirme
さし当り、純白の日本猫、そして尻尾のすんなり長いもの、ときめている。金目銀目は実はあまり珍重したものでなく、水色に青く澄んだ眼が望ましい。
だいぶ前のことだが、野上彰君が猫を食う会を拵えようと私に提案したことがある。猫好きである以上、猫の血の一滴ぐらいは体内に入れておくべきだ、との趣旨から、猫の肉を食おうというわけだ。猫好きは多いし、猫を好んで描く画家も多い。この議が大仏次郎君に伝えられると、さしもの猫好きも眉をひそめた。よしそれなら、なんとか騙かして食わせてやれと、会合の実現をはかったが、遂にだめだった。犬なら赤犬の肉がうまいとされているが、猫なら何色がうまいか見当がつかない。但し、猫の肉は泡立ちがひどいそうだが、その泡を除けば、うまいことは確からしい。然し問題は、猫の肉をどうして手に入れるか、そしてどういう風に料理するかだ。知り合いの料理屋や料理人に相談してみたところ、初めから断られたり、請け合ったままで立消えになったり、遂に実現をみない。
そのうちに、猫肉試食などに対する興味を私も失った。猫を可愛がることだけで充分に面白い。夜分は、白猫の三匹がそろって、或いは一匹か二匹だけ、私の布団の中にもぐりこんで来、温まりすぎると布団から出ていく。