Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこはち
猫八
岩野 泡鳴
Lesen Sie 猫八 (ねこはち) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.513 Zeichen · 39 Bildschirme
「一般に蚯蚓が啼くと申すのは、あれはおけらの声だそうですが、蚯蚓もやはり啼きます、な」こう前置きしてちッとまたおけらに似た声を出してから、「これで向うの声を出してみると分ります。わたくしはその研究に廃兵院の森で夜明かしをしたことがごぜいますが、人の足音がしますと、いったん向うの声が途切れます。そこへしゃがんでしばらく待っておりましてそれからまたやってみるのですが、こちらの声が向うのにそッくりだと、すぐ応じてきますし、間違ってると御返事がありません」
「は、は、はア!」主人は特別の高笑いをした。
「まったくですよ」と、自分はまじめを訴えた。御返事には、つい、いつもの冗談が出たにすぎないのだから。
「だから、さ、外国にはもッと大仕掛けに猿の言葉まで研究してみた人もある」
「わたくしも英語でも学んでおりますと、やってみますが――」
「しかし、猿は英語を使わない」
「わはッ、はッ」と、二三名。
「………」まるでお株を取られた気がして、ちょッと興ざめた。そのごまかしにだが、「学術上では、猿が人間に進化したと申すそうですが、ここのお話は虎が猿になりました」
「いや、君の動物まね声にもなってありがたいよ」