Japanische Klassiker mit Furigana
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さる
猿
宮本 百合子
Lesen Sie 猿 (さる) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.437 Zeichen · 11 Bildschirme
エッダ (熱中し)いいえ! こっちから見たって、矢張り同じよ。(場所を更えて、なお見守る)
ヨハネス (神経質になり、顔を平手で撫で廻し)お前のように、ふっくらしていないからそう見えるんだよ。
エッダ (ヨハネスが真面目なので、不意と嬲(なぶ)る気になる)瘠(やせ)っぽちだって、猿と人間とは異うわよ。
ヨハネス (もう飲むことも、食うことも出来なくなり)エッダ! 止めてくれ(悲しそうに)俺は――……お前の好きなほど美(い)い男じゃあないが――まさか猿じゃないよ。俺の阿父(おやじ)だって俺を生んでくれた阿母(おっか)だって。
エッダ (笑い、小娘らしい意地悪さで)なあに?
ヨハネス 歴(れっき)とした村の衆だ。
エッダ そう? お前偉いのね。見たこともない親のことが判るの?
母親 エッダ。下らない口論はおやめ、人間が猿で堪るものか。
エッダ 猿が人間じゃあ、なお堪らない!
ヨハネス (決然と)お前が何と云ったって、俺が猿でないことはわかってるよ。見な。手だってお前のほど白くこそないが、同じ形だ。足だって、ほら。第一言葉が通じるじゃないか。
エッダ (負けず)それは、お前だけが、そうと思っているんじゃあないの? 誰の眼で見ている?「お前の眼」