Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
生きるに甲斐ある人生を求めることが、人間として健気であるというにしろ、それは怠慢を許さないと云え、それにしろ、わたしはやっぱりおどろきを抑え得ません。年々深まるおどろきを。そして、それは、まぎれもなくこの秋空に、燦く頂きを見せました。
そこには全く時代として新しいものがありました。ずーっと昔、十年ほど前、華々しい論説というような前期的空気にはふれましたが、世代の進展の大さ、着実さ、高さ、尤も注目すべき現実性に於て、極めて感歎に価しました。それの堂々さは、自然現象の壮麗さと同じように公明正大であり、企らみなく、自然です、自然現象のおどろくべき仕組みを見て、人の感じるおどろきは素直であって、おそらくはその人の一生に影響するものよ。虹でさえ、人は美しいと思って見れば一生忘れることは出来ません。
わたしの中に、オルゴールのついた一つの引出しがあったのね。それが杖で触れられて開くようになって、ああああ何とそれは鳴るでしょう。全く謙遜に、抑えかねるよろこびと献身で、小さいオルゴールは何と鳴るでしょう。よろこばしさの中にエゴイスティックなもののないかということを気にするくらい、へり下って。