Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.583 Zeichen · 240 Bildschirme
わたしとして、それは寿がどこかに来ているというのはどんなに心丈夫かしれません。そして、あの鼻ぱしのつよいいつもわたしが大事として考えることを、どうにかなると軽くあしらって来た寿が、ここで一つ考えを変える丈、様々の思いを人知れずして来たかと思うといじらしくなります。わたしは沁々思うのよ。人間は人にも云えない、というような苦労はするものじゃないわ、それは余り人間をよくしません。人間の苦労や困難は、筋さえ通っていれば、其がよしんば沈黙のうちに堅忍されていようとも天下公然のことで一つも、人に云えないことではなく、云わない丈のことです。戸塚の母さんを見てどんなに強くそう思うかしれません。芸術家は、人間中の人間なのだから、苦労は最も人間らしい苦労を公然とやるべきで、其の生活そのものは作品です。作品を半分丈かくしておけるものでないと同様にその生活も、人目にかくすところがあろうわけはありません、失敗だって何をかくす必要があるでしょう、もし当然な心の動きに立ったのなら。動機が純一ならば。ねえ。寿が、北海道へ行って暮そうと決心したことで、これまでのいらざる頭のよさ、先くぐり(すべて俗っぽさ)をすてて、あの人の本性にある粘りつよい質朴な、芸術を生むまでに到らなくても理解するこころ丈を正面に出すようになったら一寸見ものと思わ