Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.583 Zeichen · 240 Bildschirme
心のこりというのはこのことです。三日も命があったというのにね。トラックにのって行ったらその番号の車がどこでどうなっていたかさえ分らないというのは。混乱の程思いやられます。二十六日づけのお手紙です。きょうはもう四日、九日経過しています。新谷という人は多分死去してしまったでしょう。トラック番号をきくことさえ手がかりを失ったかもしれません。隊の解散がひきつづきましたから責任不明となり、本当にわるいめぐり合わせでした。わたし達も其だけの負傷をして、相手が原子である以上、覚悟して処置しなければなりますまい。其にしても行方不明というのは。実に解せません。しかし、東京で現に五分前まで一緒の家の壕にいた我娘が遂に行方不明となった人があったりします。いろいろの場合を思いやり、生きるために努力したことを考えると涙が出ます。友ちゃんと子供らの顔にはげまされて、力をふるって自分を救おうとしたのでしょうのに。可哀想に。可哀想に。
島田までゆけば一週間や十日で戻ることは不可能です。少くとも、暮しの見通しがつき、気持の落付きがいくらかできる迄はいてあげなくてはなるまいと思います。