Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
あなたも気がおくつろぎでしょう。それにつけても母上の愛情の本能的な聰明さには深く敬意を感じます。あなたとさし向いでいらっしゃるお話の内容は存じませんが、全体としてね。可愛いものの求めているものが、勘でわかるというのは、やはりその愛が主我的でないからこそです。
私たちの生活の雰囲気、例えば、私が鏡台というようなものもなく書生流に暮している、そんな些細なことでも御自分で御覧になって、やはりようございます。二人で手をとって、東京の街や日光の杉の間を歩き、「私は一人二役だから、どうしてもお母さんには半分息子のようでしょう?」などと喋りもいたします。お母さんも何年も何年も前の召物をきていらっしゃる。私も。「私はこれでなかなか宮本家の家風には合ったお嫁ね」と大笑いしたり。冗談のようだが実際ですね。三つ指式であったら、私は自分が熊の仔にでもなったように工合わるくて迚ももちませんでしたろうから。仕合わせと思います、嫁さんとしても私はやっぱり仕合わせ者ね。
お母さんは改まると普通の標準的応対になっておしまいですが、話をくつろいで私となさるときびっくりするように表現的です。