Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
千代が、ああいう男性彷徨の後今日その文学性よりは元軍医総監とかいう父親の地位の方がより確実であるかに見える人を良人として納ったこと、やはり現代的です。今日は婦人作家が筆一本にかける自信をゆるがされている、経済的にもね。芸術的には勿論。文学にたずさわる名流夫人(今井邦子その他)の安固らしさにひかれる心持。一葉が若い生涯の晩年に到達した文学上の自信は、一歩あやまれば彼女の勝気さの故に到って卑俗な気位に近づく性質をもっていましたが、ああいう意気はお千代さんには決してない。男性彷徨の後、所謂風流な対手との生活に納まるのがこれまでであった、或は下らない対手と下らない市井生活にうずもれるのが(青鞜の諸氏のように)。今日は脂切って居りますから決してそんな素朴ではない。面白いところですね。筆にたより切るひとは、又それなりに双眼鏡を肩からかけたりいろいろの身すぎにいそがわしい。荒い浮世の波のうちかたを思わせます。
歴史的に見ると、若い花圃が洋服着て「男女交際」をして、兄の法事のお金が入用だと小説かいて、大変もてはやされたということも、どんな小説だったかと内容とてらし合わせて見れば随分面白い。